スベリスト夏目の歴史からものごとを考えるブログ

現役放課後等デイサービスが伝える発達障害の支援方法や歴史学観点から見た教育や子育て方法について

工藤勇一さんの『学校の「当たり前」をやめた。』にはこれからの教育や日本のあり方が見える

どうもスベリスト夏目です。


最近は様々な教育にかかわる本を読んでいます。


その中でも教育業界で話題になっている本があります。


それが『学校の「当たり前」をやめた。生徒も教師も変わる!公立名門中学校校長の改革』です。


著者の工藤勇一先生は東京都の千代田区立麹町中学校の校長先生をなさっている方です。

何がすごいのかというとこの先生は今学校であるそれまでの取り組みを次々と改革しているのです。


では実際にどのような改革をしたのか紹介します。

目次

1.宿題の全廃


①やりたくないのに宿題をするのはなぜか?

学校の学習の中で必ずと言ってもいいほど存在しているものがあります。


それは宿題です。
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小学校では漢字ドリルや計算ドリルといったものから、中学校では日々の家庭学習や定期考査の提出課題など様々な宿題がありますよね。


夏休みや冬休みといった休みになるとまとめてたくさん出されていたことは多くの方の記憶に残っているかと思います。


私自身も日々放課後等デイサービスの職場で子どもたちと関わる中で宿題も見ることがあります。


ほとんどの子が口にするのが「宿題やりたくない」という言葉。
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そもそも宿題が出てめちゃくちゃ嬉しいという言葉をいう子を見たことがありません。

99%の子どもが嫌いだと私は思っています。


好きだという子どもを見たことがありません。


ではそんな宿題がなぜ存在するのでしょうか?


一番良く言われるのが学力を高めることや学習習慣の定着です。

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学校だけ学んだ内容を理解し学力を向上させたり、学習習慣を定着したりすることができるので宿題を出しているというのが一般的です。

しかし、これに対して疑問を持った工藤先生は宿題を廃止します。

これにはきちんとした理由があります。

②宿題がすべての子に適したものではないということ

宿題を仕事で見ていて思うことがあります。

それは1人1人のレベルに合っていないということです。f:id:nattsu1991:20190305113258j:plain



学力の高い子からすればなんでこんな簡単なことをしなければならないのかと思うし、低い子からすれば何時間もかけて宿題をやらなければならないのかと思います。


実際漢字ドリルの書き込み1つにしても10分で終わる子もいれば1時間かかる子もいます。

なので宿題をすることが学力を高めることや学習習慣の定着にはつながっていません。

③宿題をなくし、生徒の主体的に学ぶ仕組みを整える

麹町中学校では宿題をなくしたことによって、最も喜んだのは受験を控えた3年生の生徒たちだったそうです。


その理由は、自分にとって非効率な作業から解放されたからだと本の中で記されています。
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やらされる学習」ではなく、生徒が主体的に学ぶ仕組みを整えるのが大事であると工藤先生は語っています。

2.定期考査の廃止

①定期考査では一夜漬けの知識しか身に付かない

定期考査の前の1週間テストに出そうな部分を一夜漬けで頭に叩き込んだことはないでしょうか?
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私はあります。

夜中に勉強をスタートして朝まで起きていてそのままテストなんてこともありました。


「テストの点数を取る」ということにおいては有効ですが、学習の成果を持続的に維持する上では効果的ではないと工藤先生は語っております。


かなりの部分を忘れてしまうからです。


テストの後はまったく覚えていないという人も多いのではないのではないでしょうか?


そもそも定期考査という学力を「ある時点」で切り取っていみがあるのか?


そういった経緯があって定期考査を廃止したそうです。

②定期考査の代わりの単元テスト

麹町中学校では定期考査をなくした代わりに単元テストを行っているそうです。
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数学であれば「比例と反比例」、社会であれば「中世の日本と世界」の単元が終わればテストといった具合に実施しているとのことです。


また年に3回であった実力テストを5回に増やし、生徒の本当の学力を測っているとのことです。


生徒たちは授業で学んだことを単元テストで確認し、理解しきれていない部分を復習するようになったと工藤先生は語っています。


単元テストは再チャレンジすることが可能なので理解できていない部分を一つずつわかるように勉強を重ねて着実に学力を高めていけるようになったそうです。


しかし、ここで大きな問題が立ちはだかりました。


それは通知表の評価です。
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③通知表は絶対評価であるから全員「5」になってもかまわない。

工藤先生は全員が満点をとったら「5」の評価を全員に与えても構わないとのことです。
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それは日本では「相対評価」から「絶対評価」に変わったので生徒全員に「5」がつくこともあり得ます。

しかし、教育委員会が「不適切だ」として指導が入るので全員を「5」をつけることはないそうです。
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「不適切」の最大の理由は、高校受験の内申点とそれに伴う推薦入試があるからだと工藤先生は語っています。


通知表で順位がつかなければ推薦入試が成り立たないというのが主たる理由として考えているそうです。


単元テストに変えた結果として、以前よりも生徒の勉強時間が増えた子もいて保護者からも喜びの声が上がっているそうです。


子どもの意思で主体的に学ぶことが大切であると工藤先生は語っています。

3.固定担任制の廃止

一般的な小中学校は固定の担任の先生がつきます。
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それでクラスが編成されて1年間を過ごします。


一度決まった担任の先生は病気での休養や産休などといった特別な事情がない限りは変わりません。


しかし、現在の固定担任制にはさまざまな弊害が見られると工藤先生は語っています。

①1人の先生に生徒のすべてを委ねられやすい


固定担任制では生徒のすべてを1人の担任に委ねることになってしまうため、学級の良し悪しは多くの場合、担任の先生に紐づけられる傾向にあると工藤先生は語っています。
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私自身も放課後等デイサービスで仕事をする中で、よく担任の先生のことが話題になります。


「あの先生はよかった」「この先生は対応が悪い」といった具合に。


最近は学習面から生活面まで手取り足取り面倒を見ることがよいとされるので、先生が先回りしていろいろなことをやりすぎてしまうので子どもが自律できなくなってきています。


自律することを学ばない子どもは、物事がうまく行かなくなると、担任教員に責任転嫁をすると工藤先生は語っています。
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私自身も放課後等デイサービスで働く中で手厚く支援を受けている子どもほど、自分の荷物を管理できないことを大人のせいにしたり、人が何かやってく
れるのが当たり前と思ったりしている子が多いように感じます。

②固定担任制を廃止することで「勝ち組」「負け組」の意識をなくす

生徒たちの中の中にある「勝ち組」「負け組」の意識を意識をなくすねらいもあったと工藤先生は語っています。

固定担任制では教員の力量によってよくまとまったクラスと、そうでないクラスが生じがちなので子どもたちの中で「勝ち組」「負け組」の意識が生まれてくるそうです。

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小学校は特に顕著に現れると語っています。

担任の「アタリ」「ハズレ」が話題になることがありますが、「ハズレ」の子たちはどんな気持ちになるのでしょうか?
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固定担任制を廃止することでそういった意識は薄まったと工藤先生は語っています。

4.まとめ

麹町中学校の取り組みからはこれからの教育のあり方がよく見えました。

多くの当たり前と思っていることに疑問を持つことが教育をよくするためのきっかけとなるのではないでしょうか?

今回はほんの内容の一部しか紹介できませんでしたが、本の中ではより具体的な取り組み内容が書かれているので興味のある方は一度手に取って読んでみてください。




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www.summer-eye1991.com
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